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明治村:シアトル日系福音教会 [風景・建物]

シアトル日系福音教会.JPG

明治村にてシアトル日系福音教会を撮影。

20世紀初頭、アメリカ東海岸シアトルは漁業と林業の基地として発展した。その高台の新興住宅地に建てられた建物である。大量生産規格木材で作られており、2×4(2インチ×4インチ)工法の先駆的な実例である。屋根には地元産のそぎ板を葺き、外壁、床等は全て下地板と仕上げ板の二重張りになっている。
当初はアメリカ人住居であったが、1930年代(昭和5~14)に日系移民の所有となった。アメリカに渡ってから長い苦難の年月を経て手に入れた一軒の家であったが、第二次世界大戦時、強制収容により家を追われ た。戦後は日系一世のための福音教会として使われてきたが、一世の高齢化と減少という時の流れの中でそ の役目を終え、明治村に移築された。

1階を高床にし、地下室を設けている。1階床は2×10の構造材を根太に並べ荒床板を斜めに張って床下地とし、仕上げ板を張り重ねる。2階床には2×8の材を根太として並べる。小屋組材は2×4の材で、屋根はアメリカ杉の割板葺きである。玄関側と背面の両妻屋根面に屋根窓を載せているが、飾りに過ぎない。外壁は2×4を約40cm間隔に建て、捨て板を張り、更に下見板を張ってペンキ塗り仕上げである。内壁は木摺り打ち漆喰塗り仕上げである。上げ下げ窓は上下の建具長さが異なり、開口幅が狭い。
内外の飾り(軒飾り、手摺、窓台等)は既製品を取り付けている。玄関ポーチの太い柱は、2×4四本を立てて板で囲って箱型の柱に作る。

 玄関ホール正面に二階への階段が設けられている。細かい細工が施された階段の親柱は、プレハブ建築の通例通り、単に床の上に置かれているだけで、床下から釘止めされている。又、細かい細工も彫刻ではなく、細い木材を釘止めして作られたものである。
 玄関ホール横の会堂は、住宅として使われていた時には二つの居間に分かれていたが、間仕切扉が散逸してしまっているため復原できなかった。規格木材を釘打ちして造る2×4構法では、仕口、継手の痕跡がないため、改造個所の元の姿を推定することが難しい。


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