イスラエル旅行:大工ヨセフの教会2 [海外]
『マタイ福音』によれば、イエスがユダヤのベツレヘムで生まれたあと、ヘロデ大王によって幼児殺害の命令が出たため、ヨセフは妻と子を連れてエジプトに避難する。ヘロデ王の死後、エジプトから戻ってくるが、ヘロデ王の子が治めるユダヤを避けてガリラヤのナザレに行き、そこで暮らした。
ただし、旧約にナザレという地名はない。ヤコブが息子ヨセフに「ナザレ人(ナジル人:聖別された人)となるよう」死の床で伝えたことが成就するために、新約に至ってナザレに向かったのである。
『ルカ福音』ではもともとヨセフはナザレの人であったが、住民登録のために身重の妻とベツレヘムへ赴いたことになっている。また、12歳のイエスが行方不明になったとき、マリアと共に探しエルサレム神殿で彼を発見している。
福音書には、養父ヨセフの人生の終わりに関する記録はないが、伝承によれば、ヨセフはイエスが公生活を開始する直前に亡くなったという。
労働者の守護聖人であり、大工であったヨセフの像はしばしば大工道具を手に持っていることがある。
福音書の記述には、マリアとヨセフの兄姉として、イエスのほかにヤコブ、ヨセフ、ユダ、シモンの4人と2名の女名前が上げられているが、カトリックではアラム語の慣用から甥・姪だったとする説が主流である。これらの人物がヨセフの子だとする場合も、母が誰かについては議論があり、伝統的に東方教会ではマリアの前にいた前妻の子だと考えている。プロテスタント教会は、多くイエスと同じくマリアの子どもたちだとする。この問題は、カトリックのユダヤ教における言葉の時代的背景を考慮(当時のヘブライ語、アラマイ語には、兄弟、従兄弟も同じ言葉が使用されており、新約聖書の他の箇所に於いて、それがわかる)、逐語的に訳すプロテスタントにそれがないということだと思われる。
西ヨーロッパの絵画ではしばしば老人として描かれるが、これはヨゼフとマリアの間に性交渉がなかったことを強調するために、ヨセフを生殖能力のない男性としたものと考えられる。
ナザレのイエスは神の子か?―「キリスト」を調べたジャーナリストの記録
- 作者: リー ストロベル
- 出版社/メーカー: いのちのことば社
- 発売日: 2004/03
- メディア: ペーパーバック
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